No.75(中世ヨーロッパ文化):
「大学はどのように成立したか? またその限界とは何か?」
12世紀から13世紀に、それまでの大聖堂や修道院の付属学校を母体とし、
教授ギルドや学生ギルドが発展して大学が各地に成立した。また、君主
からの特許状で特権的自治も獲得していた。しかし当時はスコラ学に代
表される神学が最高の学問として重要視され、その権威のもとで合理的
な哲学や天文学・医学などの自然科学の発達は抑えられる面もあった。
また、教会や君主からの干渉により学問の自由がなかった。
<評価の観点>
関心・意欲・態度:
明治時代に日本でも成立した大学のルーツが、中世ヨーロッパにあることに大
きな関心を持って、意欲的に学習に臨んでいる。
思考・判断:
「哲学は神学の婢」という言葉に象徴される神学を最高位に置く学問のあり方
が、教えたい人と学ぶ人の自治組織である大学の、今日から見た限界であった
ことについて、的確に判断している。
資料活用の技能・表現:
「雄牛が浅瀬を渡る」という意味の、オックスフォード大学の紋章を見て、ユ
ニバーシティの起源を学ぶことに対する興味を喚起されている。
知識・理解:
中世都市が、商人ギルドや同職ギルドの自治的な活動から生まれたことと同様に、
大学の成立も、教授ギルドや学生ギルドによる特許状獲得を背景としていること
について、基本的な知識を身につけている。